人生には挫折は必要でしょうか?
順風満帆にすべてが上手くいく人生を送れるのであれば、その方が良いのでは?
多くの人は、もっともらしい顔で
「やっぱり人生には挫折は必要でしょ」
なんて言います。
これって本当でしょうか?
今回は人生にはつきものの「挫折」について考えてみたいと思います。
なぜ「やっぱり挫折は必要」なのか?
まず、挫折という言葉の正しい意味をご存知でしょうか?
事業・計画などが途中でくじけ、だめになること。
また、そのためにやり遂げようとする意欲や気力を失うこと。
出典:明鏡国語辞典第二版(大修館書店)
もう少し砕けた言い方をすれば、目標をクリアできず諦めること、ですね。
この言葉の意味をそのまま理解すると、これって「単なる出来事」ですよね?
自分が掲げていた目標をクリアできなかった、という「出来事」、そしてそれを推し進める意欲を失うという・・・
単純に「やっぱり人生に挫折は必要でしょ」という言葉の意味をそのまま理解すれば、
やっぱり人生には目標をクリアできない出来事って必要でしょ、そしてやる気を失うことって必要でしょ。
となります。
いやいや、そんなもの必要ありませんよね?
途中でくじけることが分かっている目標なら最初から目指さなきゃ良いって話です。
それに最初から頓挫することが分かっているなら真剣に目指すこともないでしょうし、まして頓挫したときにやる気を失うことだってないでしょう。
そもそも最初からそんな本気で頑張ってるとも思えないし(笑)
本当に必要なことなら、最初から挫折することを前提に計画すると思いませんか?
でも実際はちゃんと目標達成する前提で計画して、そして本気で頑張るわけですよね?
それなのに結果として途中で計画が頓挫してしまう。
こんなに頑張ってきたのに・・・ああもうやめた、やる気失せた!
って、これが挫折ですよね?
挫折はあくまで「計画外」
いいですか?
挫折というのはあくまで「計画外」の出来事なんです。
本当はその計画をちゃんとクリアすべく頑張ってきたにもかかわらず、何らかの理由で頓挫せざるを得なくなる。
であれば、やはり挫折は「ないほうが良い」出来事なんじゃないですか?
だってその計画、クリアするために立てたんじゃないんですか?
だから頑張れるし本気にもなれるんじゃないの?
それなのにその計画が上手くいかず頓挫してしまうと
「やっぱり挫折は必要だよね」
とか言うんです。
これって単なる負け惜しみ?
本当に必要なのは「挫折」ではない
そろそろあなたもお気付きではないですか?
本当に必要なのは挫折じゃないって。
じゃあ本当に必要なのは何なのか?
挫折じゃなくて、挫折することにより得られる「気付き」ですよね?
挫折そのものは単なる出来事に過ぎませんから、良いも悪いもないです。
単なる出来事である挫折に「意味付け」するのはあなたです。
目標を諦めざるを得ない結果となって、あなたはどのような意味付けをしますか?
選択肢はそれこそ無限に存在します。
上手くいかないなんて、そんな筈はない。
もう一度、いや上手くいくまで何度でもやり直すぞ!
という選択肢。
いやムリだと思ったんだよコレ。
これからは身の丈に合った目標を立てるようにしよう!
という選択肢。
いやぁ絶対上手くいくと思ったんだけどなあ・・・
もう嫌んなっちゃうな。
という選択肢。
上手くいかなかったのが私のせいって、はあ?
そんなわけ無いじゃん、いい加減にしてよ、悪いのはそっちでしょ!
という選択肢。
絶対に上手くいくと思ったのに・・・
やっぱり私には向いていないのかも。
という選択肢。
まだまだあるでしょう。
同じ出来事でも、人によってその意味付けはいくらでも変わるということですね。
挫折の先に何を「見るか」が重要
人間は誰しも、自分の思い通りに生きていきたいと思っているものです。
すべてが思い通りになればいいのですが、あいにくそうはなりません。
なぜなら人間はひとりで生きているわけではないからですね。
すべての人間は「自分の思惑」を持って他人と接しています。
自分の思惑と他人の思惑が異なれば、当然どちらかの思い通りにはならない状況になるわけです。
言ってしまえばこれが「挫折」ですよね?
自分の思い描いたものとは違う現実が目の前に提示される。
そのときあなたがどう思うか、どう対処するか、何を学ぶかが重要なんです。
あなた自身がこの「挫折(思い通りにならない現実)」に直面したときそれを通して何らかの「気付き」を得られたとしたら、きっとその挫折はあなたにとっては(結果的に)必要なものだった、ということになります。
世の中の多くの人たちが「やっぱり人生には挫折は必要でしょ」という背景には、こうした「後付け」の事情があるということです。
人間も40年、50年、それ以上と長く生きていればいるだけ、多くの挫折を経験しています。
そしてその挫折を通して様々な気付きや学びを得ているんです。
あの時の挫折があったから今こうしていられる、なんて思っている人も多いことでしょう。
これって、後出しジャンケンですよね(笑)
でもあなたにこういうアドバイスをしている人は、本人にとっては後出しジャンケンでも結果として「とても大切な何か」を学んでいるわけです。
その上であなたに「やっぱり人生には挫折は必要でしょ」とアドバイスしているんです。
あなたが若ければ、まだそんなに大きな挫折は経験していないかもしれません。
でも、先人から学ぶことがあるとすればそれは「挫折の先に何を見るか」ということですね。
挫折を恐れて行動を起こさず、大きな成功もない代わりに大きな失敗もない、言ってみれば「生き沈みの少ない安穏とした日々」を送るのも結構ですが、何かを手にしたいと思っているなら、挫折を恐れずに思い切り行動してみましょう。
結果として挫折するかもしれませんが、その先には挫折を恐れて行動しなかった者には決して手に入らない「かけがえのない何か」がある筈だから。
「やっぱり人生には挫折は必要でしょ」という言葉には、こうした意味が込められているんです。
まとめ
今回は挫折について考えてみました。
私たちは挫折そのものがしたいわけではありません。
挫折せずに済むのであればしないに越したことはないんですが、他人とのかかわりの中で生きている以上、大なり小なり挫折は起きてくるものです。
その時にあなたが挫折の「先」に何を見るのか。
それ次第であなたの人生の色合いが大きく変わってくる、ということですね。
私も決して褒められた人生を送ってきているわけではありませんが、これまでに数々の挫折を繰り返してきています。
いまも挫折のまっただ中かもしれません(笑)
そんな私の結論は、
「やっぱり人生には挫折は必要でしょ」
なんです。