夢を実現するために。
思い通りの人生を生きるために。
そのためには明確な目標を設定し、それに向けて綿密な計画を立て、それを実行していくことが必要不可欠です・・・
上記のような文章をあなたもどこかで見たことがあるんじゃないでしょうか?
書店に氾濫する自己啓発書のほとんど全てに上記のような内容が書かれていますよね。
ホント、判で押したようにどれもこれも目標設定って(笑)
もちろん表現方法など枝葉末節は異なる部分もありますが、言っている内容は概ね一緒です。
定番のベストセラー自己啓発書も新刊の自己啓発書も、口を揃えてこう言います。
自分がどこに向かうのかが決まっていないのに、あなたは何を努力するのですか?
目標は絶対に必要です、だから目標設定をしましょう、そのためのコツは・・・と。
はっきり言いますね。
目標設定をする前に、あなたにはやるべきことがあるんです。
そしてそれは、残念ながらどの自己啓発書にも書かれていない内容なんです。
あ、心配しないでくださいね、難しい話ではありませんから(笑)
今回は目標設定をする前に知っておくべき「目からウロコ」の内容をお話しします。
目標設定する前に「これ」をやっていますか?
あなたの夢を現実化するには目標を明確に持つこと。
この一説を読んでも多くの人はごく自然に受け入れてしまうことでしょう。
何も疑うことなく、そうだよね、目標って大事だよね、なんて納得してしまいます。
そして世の指導者たちはこんなことを言います。
行き先が決まっていないで家を出ても、さてどっちに向かえば良いのか分かりますか?
どこに行くか決めないで、あなたはどこに行くというのですか?
旅行だって目的地が決まっているからそこにたどり着けるんでしょう?
ごもっともです。
こうした言い分を否定するつもりは毛頭ありません。
彼らが言っていることはことごとく正しいです、間違いなんてありません。
それでもあえて「ちょっと待て」と。
なぜ疑わないのですか?
目標を決めてそこに向かうために綿密に計画を立てる。
そしてそれを実行に移す・・・そうすれば目標にしたものは手に入れることが出来る。
はい、これはその通りです。
その通りですが、その前にあなたに質問したいことがあります。
それは「その目標で良いんですか?」ということです。
なぜあなたはそれを目標にしたのでしょうか?
自分の夢に向かうため?
その夢は本当にあなたに必要な夢ですか?
その夢以外に選択肢はありませんか?
このへんの「目標以前」の部分をまずしっかりと整理する必要があります。
いまあなたが夢見ている世界は、あなたにとってどの程度必要なものでしょうか?
その夢を叶えなければいけませんか?他のものではダメですか?
なぜその夢なんですか?
夢を持たない人生は本当にダメなのか?
あなたの夢は何ですか?
こう聞かれて即答できる人って、実は少ないんじゃないでしょうか。
そして小さい頃から確固たる夢があって、その夢を現実のものにするために人生を生きてきた人ってどのくらいいるのでしょうか?
あなたは「ドリーム・ハラスメント」という言葉をご存知でしょうか?
人間だれしも夢を持つべきだ、夢に向かって努力することが美しい、夢を叶えるために目標設定をして努力する、それこそが人としての価値を決める・・・
こうした考えを強要してくる人って、とても多いです。
社会に出るために就活を始めると、企業の面接で「あなたの夢は何ですか」とか聴かれます。
もしくは「この会社であなたはどんなことをしたいですか」とか「10年後にあなたはどうなっていたいと思っていますか」なんて類いの質問をされます。
就活生はこうした質問をされることを前提に、事前に答えを用意しておきます。
私の夢は○○です、10年後に私は○○になれるよう最大限の努力をします・・・
自分の本心でもなんでもなく、その企業に入社するためにねつ造される夢。
なぜなら、夢がないと就職すら出来ないからですね(笑)
でも、本当に誰もが夢を持っているものでしょうか?
実は夢を持たない人ってすごく多いんです。
別に普通に暮らせればそれでいいじゃん、って人はたくさんいます。
そういう人は「あなたの夢は?」なんて質問されても困ってしまいます。
夢なんてないよ、毎日ゲームでもやって楽しく過ごせればそれで満足だし。
でも、こういう人だって社会に出ると様々な形で夢を強要されます。
これを「ドリーム・ハラスメント」と言うんですね。
夢を持たずにその日を平穏無事に暮らす・・・これって悪いことでしょうか?
私はむしろ、こうした毎日が送れることはとても幸せなことだと思っています。
良いじゃないですか、別に夢なんか見なくても。
世の中の常識を変えていく必要があるのでは?
私たちは子供の頃から、両親や学校の先生などから「立派な人間になれ」「ひとかどの者になれ」などと言われて育ってきました。
そのために人一倍勉強してクラスでトップを目指せ、スポーツで優勝できるよう毎日休まず練習を続けろ、親の期待を裏切るな、努力は必ず報われる、夢は叶う・・・
負けるより勝つ方が良い、1番でなければ意味がない、ナバーワンを目指せ・・・
こうした従来の教育は、夢を持てる人にとっては素晴らしいものでしょう。
でも、周囲と競い合い戦って上を目指すのが苦手な人だってたくさんいるんです。
そういう人は常に負け組、弱者、取るに足らない人、というポジションに甘んじなければなりません。
ことの善し悪しはともかく、これが今の日本の現実です。
だから自己啓発書なども、夢を持っていることが前提で書かれているんです。
そこには夢を持つことの是非や、夢を持たない人の存在などは完全に無視されています。
そして自己啓発書を読む人の多くは「さしたる夢があるわけではない」人たちなんです。
だからいくら自己啓発書を読んでも結果が変わらないんです。
だって、自分に確固たる夢がないんですからそのために目標設定したり、その目標に沿って行動したりなんてモチベーションが上がるわけないんです。
夢を持て、目標に向かって行動しろ、それが当たり前、という同調圧力から仕方なくかりそめの夢をでっち上げ、その夢を実現するために無理やり目標設定し、行動する・・・
こんなことに意味があるんでしょうか?
確かにオリンピックのメダリストは、その結果のために日夜努力を重ね、誰よりも頑張った結果としてメダルを手にするのですから、それはとても素晴らしいことでしょう。
でも、そういう「目指す」生き方をしない人の人生は素晴らしくないのでしょうか?
そんなこと決してありません。
毎日なんとなくゲームして、髭も剃らずにボサボサ頭のままで過ごす人の人生だって、オリンピックのメダリストと同じくらい素晴らしいものです。
どう生きるかの違いはあれど、どちらもちゃんと生きているんですから。
他の人には見ることの出来ない世界
人にはそれぞれの生き方があるんです。
何かを目指してそれを手にできた人も、目指したけれど手にできなかった人も、そもそも目指すもののない人も、みんなそれぞれその人しか見ることのできない人生を生きているんです。
そしてそれは、どれも掛け替えのない素晴らしいもののはずなんです。
何かを目指してそれに向かってがむしゃらに生きてきた人が見る世界。
努力に努力を重ねて、自分の夢を現実の形あるものに変えていく過程を目の当たりにする。
それはきっと素晴らしい感動的なものでしょう。
でも、目指したけれど届かなかった人が見る景色は見ることが出来ません。
それを見ることが出来るのは、届かなかった人だけです。
そしてその景色には、届かなかったからこそ見えてくる「なにか」がきっとある筈なんです。
同じように、何も目指さない人にしか見ることの出来ない世界というのもあるんです。
どれが良いとか悪いとか、そういう話じゃないんです。
あなたの人生がどのようなものであっても、あなたにとっては他の誰の人生よりも素晴らしいものの筈ですよね?
まとめ
今回は目標設定とか考える前に知っておいて欲しいことをお話ししました。
世の中の空気がそうだからとか、そんなくだらない理由で不必要な夢や目標を無理やり持つなんてもうやめにしませんか?
夢も目標も、必要な人と必要ない人がいるんです。
必要ないことは決して悪いことでもなんでもありません。
あなたの生き方の問題ですから、周りに振り回されることなく最高の人生を生きてくださいね。
ここで今一度、立ち止まって考えてみるのも悪くないと思いますよ。
目標設定が必要ない場合には、思いきって目標なんて放り投げてしまいましょう。
それが「目標設定するコツ」ですから、ね。