あなたは過去・現在・未来のうちどれがいちばん大事だと思いますか?
この質問に多くの人は「現在」と答えることでしょう。
なぜなら過去は現在が作ったもの、未来は現在が作るものだから、とか
過去も未来も変えられないから現在を大事に生きていきたい、とか
なるほど確かにその通りだよね、と思ってしまいそうですが(笑)
ちょっと待った!
あなたにとって本当に現在がいちばん大事ですか?
そんな自己啓発書や学校の教科書に出てきそうな答えであなたは満足出来るんですか?
本当に大事なのは過去かもしれないし未来かもしれませんよ?
今回は過去・現在・未来のどれがいちばん大事かについて、じっくりと考えていきます。
過去・現在・未来についてもう一度考えてみる
模範解答としては「現在」でしょうが、過去がいちばん大事だと思っている人もいれば未来が最も重要と信じている人もいます。
どれも大事だよね(笑)
なんて身も蓋もないことを言ってしまうと今回のテーマそのものが成り立たなくなりますので、それぞれの立場を取る人たちはどのように考えているのかを見てみましょう。
実は自分の思いと異なる意見や考えに触れることはとても大切で、自分が信じていることとは違う考えに良くも悪くも影響されることで自分の思いをより強固にするかもしれませんし、逆に自分の考えが揺らぐかもしれません。
ということで順番に見ていきましょう。
過去が大事と考える人
まず過去が大事と考える人についてです。
多くの人は「過去を変えることは出来ないし、それがどんなに素晴らしい過去でも忘れてしまいたいような酷い過去でもどうすることも出来ない」と思うことでしょう。
確かにその通りではありますが、だからといって大事じゃないとは言えませんね。
過去のある出来事が起きたとき、その瞬間はあなたにとっては「現在」だったわけですし、現在進行形としてその出来事を捉え体験していたはずです。
その後、月日が流れ今となっては「過去の出来事」になっているわけですが、そういう意味ではその体験自体はあなたにとってはリアルなものだった・・・
それが素晴らしいことだったら「もう一度その瞬間に戻ってあのときの体験をじっくりと堪能したい」と思うかもしれませんし、逆にそれが嫌な出来事だったら「思い出したくもないし出来ることなら自分の記憶から削除してしまいたい」と思うかもしれませんよね。
いずれにしても過去の出来事はあなたにとっては「大切な思い出の1ページ」の筈です。
現在を積み重ねて行けば行くほど過去が蓄積されていき、死の瞬間には過去以外に何もない状態になるわけです。
これから築き上げていく未来はもう無いし、精一杯生きるための現在もまさに消えようとしている・・・
人間、死ぬときには過去の思い出しか残らないんです。
もう少し格好良い言い方をすれば「思い出だけを抱いて死ぬ」んです。
死の瞬間まで大事に貯めてきた過去の思い出を易々と蔑ろには出来ませんね。
過去を大事に思うことって、実はとても素晴らしいことだと思うんです。
現在が大事と考える人
とはいうものの、リアルに生きている「瞬間」は常に現在ですよね?
いまあなたがやっていることは「現在をリアルに体験している」と言えます。
しかし明日になれば、いま体験している出来事は「過去の記憶」になっている。
つねに「今」を生きているのが人間で、逆をいえば人間には「今」以外のものは存在しないとも考えられます。
だから「今」が最も重要で、「今」を精一杯生きなければ過去の記憶も全てが「精一杯生きなかった自分」の蓄積となってしまう・・・
そして人間は死ぬ瞬間まで「今」を生き続ける訳ですから、現在が唯一無二の存在ということになりますよね?
つねに「今」を精一杯に生きていれば、過去も現在も未来も全てを「精一杯」生きることになる。
だから現在が最も重要と考えるんです。
未来が大事と考える人
過去は「過ぎ去ってしまった」ものであり、それは既に体験ではなく単なる「記憶」に過ぎない。
そして現在はまさにリアルに生きている瞬間です。
唯一まだ決まっていないもの、それが未来と言えます。
自分の人生が今までどうであれ、そして今現在がどうであれ、未来は自分次第で変えることが出来る。
少なくともその可能性はゼロではないはずですよね?
だからこそ未来が大事なんです。
自分の求める未来のために日々を生きていく。
それが自分の未来を変えていくことになる・・・
未来のために「今」があるのだから、求める未来を手にするために「今」を精一杯に生きていくことが重要です。
結局どれがいちばん大事なのだろう?
ここまで過去・現在・未来について、それぞれの立場の考えを見てきました。
で、結局のところどれが大事なの?
もうお気づきかと思いますが、実は3者とも同じことを言っているんです。
言葉や表現は違えど、意味合いとしては同じことを言っています。
それぞれの立場が言わんとしていることは、
・過去の思い出を素晴らしいものにするために「今」を精一杯生きる
・人間には「今」しかないのだから「今」を精一杯に生きる
・輝かしい未来を手にするために「今」を精一杯に生きる
となります。
どれも「今」を精一杯に生きる、という点で一致しているわけです。
ということは現在がいちばん大事、ってなるのでは?
いえいえ、そんなに単純ではありません(笑)
視点を大きく変えてみる
まず、人間には「今」しかない、という考え方をすれば、結論は自ずとひとつに決まってきます。
今しかないのだから、過去でも未来でもなく現在がいちばん大事だよね、と。
たしかにこの考えは正しいように思えます。
人間を「肉体」と捉えた場合にはこの考え以外にはありません。
しかし私たちは大切な視点を見落としています。
人生で過去・現在・未来のどれが大事か、ということを考えるとき、「肉体」ではなく「思い」という視点から見てみるとまったく違った世界が見えてくるんです。
そもそも過去だ現在だ未来だといったとき、その大事さは「肉体」にとってではなく「思い」にとってどうかと考えませんか?
もちろん、長生きして人生を謳歌するために健康に留意することも大事なことですが、それは長生きすることでより長い時間健康で楽しい人生を謳歌するためですよね。
健康でいることが人生の満足度を高くする。満足するのは「思い」ですね。
肉体にとってはつねに「今」しかないのは学生時代に物理学で習ったと思います。
時間はつねに一定のリズムで過去から現在、未来へと刻まれています。
そして私たちの肉体はつねに「今」の瞬間にしか存在できない。
ですから過去を大事に思っても未来を大事に思っても「今」を生きる以外には何も出来ないんです。
しかし「思い」は別です。
「思い」に形はありませんよね、つまり「思い」は物質ではない。
物質ではないということは、物理法則に縛られないと言うことです。
肉体は今この瞬間を生きながら、思いは過去のある時点を追体験している・・・
なんてことも普通に出来ちゃいますよね?
思いは時空を超えて、いつ・どこへでも行くことが出来るんです。
視点を肉体から思いに切り替えたとき、見えてくるものが変わるんです。
どれがいちばん大事かなんて意味があるのか?
「思い」という視点で考えたとき、過去の思い出を大事にしたいと思うなら今をどう生きようと関係ありません。
その人の過去の思い出が全てですから、過去の思い出に浸りたいだけ浸れば良いんです。
未来が大事だと思うなら、目指すべき未来の姿に思いを馳せてニコニコすれば良いんです。
そしてその未来を手にするために何をすべきか考えれば良いんです。
結果として「今」を精一杯生きることになるかもしれませんが、それって今現在が大事ってことではありませんよね?
また、つねに過去が大事とか未来が大事とか決めつけなくても良いんです。
楽しかった過去の思い出だって大事でしょうし、今現在を家族と過ごすことも大事でしょう。
そして来たるべき未来に思いを巡らすことも同じくらい大事です。
そもそもどれかひとつに決める必要なんてないですよね?
おっと、身も蓋もない結論になってしまいましたね(笑)
でもどう考えても、どれがいちばん大事かなんて決めるべきことではないと思いませんか?
だって「思い」という視点で見れば、過去も現在も未来も同じことですから。
まとめ
今回は過去・現在・未来のどれがいちばん大事かについて考えてきました。
「思い」という視点で見てみると、過去や現在や未来に順位を振ることがいかに無意味なことか分かりますよね。
今を精一杯生きれば良い、とか言いますがこれだって「余計なお世話」です。
どう生きたって良いんですよ、あなたの思いに素直に日々を生きればそれでいいんです。
肩の力を抜いて、自然体で「思い通り」に生きていくことが大事なんですね。